TOMO★PROJECT 『交狂詩 銀河鉄道の夜』
(9月4日 県野外劇場「有度」 松尾交子・作・演出)野外劇場満席の観客を迎えて、熱演であった。ロケーションも十分に生かされ、観客を舞台にひきつけていた。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や詩の断片、伝記をベースにしているが、作者が交狂詩と称したように、自由な裁量で舞台上のパフォーマンスを展開し、観客もそれを楽しんでいた。ただ初演の時の小空間からときはなたれて、すっきりした印象を与えたとは言え、まだまだ挟雑物(ママ)が多く退屈させられた。ドラマというより説明に堕した部分が多く、テーマが鮮明になってこない。唯一鳥捕り演技が光った。賢治像を矮小化しているという反発の声があったことを付け加えておく。