平成11年度静岡県芸術祭 演劇コンクール審査評



劇団G★JAM

(9月11・12日 コミュニティながいずみ 高橋いさを・作 鳥居香恵・演出)

 銀行での強盗事件訓練をベースに作者の自由な発想でドラマは展開する。しかし面白く見せようという意識が強いためか、又は演技者自身が楽しんでいるのか、大きなアクションのパフォーマンスが目立ち、これがかえって目障りであった。このためドタバタ劇に近いものになったのではないか。初見の観客は、役者ご当人の得意気な演技が鼻につくばかり。稽古場での積み重ねが見えない。道具作りに苦労した節もない。
 上記の意見に対して、素人芝居のパロディとしてみれば(大仰な感情表現、類型的な人物表現)、戯画化された訓練としてみれば面白かったという視点もある。銀行員にリアルな演技を求めるのは無理だ。それよりもオチの部分のリアリティが欠落している。