平成11年度静岡県芸術祭 演劇コンクール審査評



劇団夢舞 92 『GO!GO! PARADISE』

(10月11日 大井川町文化会館 台本製作委員会 杉山稔明・演出)

 この劇団が旗揚げして八年、ミュージカルに打ち込んで来ただけに大分手馴れてきてまず無難にまとめていた。中心となるダンス、とりわけ群舞もそろっていたし、切れもよかったが、リーダーと他の人たち、又演技面でも中心となる役者と他の人たちとのレベルの格差が目立った。今後の課題であろう。また歌詞やセリフがききとりにくい箇所が多かった。天使のセリフなど作劇上特に聞かせたいものであり、セリフと音楽とのバランス等研究課題である。公演は盛況で観客に支えられている夢舞の年輪が感じられた。注文をつけるとすれば、集団創作の弱さである。台本の質を向上させないと観客の満足は得られない。作者を自立させ、ミュージカル台本の書き手を育ててほしい。