平成11年度静岡県芸術祭 演劇コンクール審査評



発条遊戯(ママ) 『コピコ』

(11月7日 静岡市視聴覚センター 森永守宮・作 ・演出)

 作者の頭の中に浮かんだ一人の女の子をイメージして、この作品が出来上がったとパンフレットにある。しかしギャグをちりばめたコントにすぎず、戯曲の体裁をととのえる段階にまで至っていない。小人数(ママ)、女性だけの劇団なのか、無理矢理、強引な上演の印象が残った。公演の社会的責任や演劇の基礎をしっかり学び、考えた上で行動してほしい。表現の自由、多様性は認めるが、真面目に舞台を観ている観客を忘れないでほしい。